看護師の転職は、数ある医療に携わる職業の中でも多いです。俗に「白衣の天使」と呼ばれ、女性の職業として憧れでもあり、最近では男生看護師の割合も増えているにも関わらず、1年間でおよそ10人に1人の割合で辞めています。よく家庭の事情、キャリアアップが転職の理由として挙げられますが、実際は、「看護師長に嫌がらせを受けた」、「患者からセクハラを受けた」など人間関係、「残業が多い上に休日が少ない」、「給与が少ない」など雇用環境や待遇が原因のことも多いです。出産、子育てでのブランクありからの復職においては、昼勤で通勤に便利な個人病院やクリニックが好まれる傾向にあり、キャリアアップ目的であれば高度医療施設の整った大学病院や総合病院への転職を好む傾向があると言えるでしょう。
1.日本の看護師の転職
全国的に看護師不足が続いており、2000年以降も常に看護師の売り手市場が続いています。だからと言って、気軽に転職するのは考えもので、自分自身のキャリアプランやライフプランを立てた上で、理想の転職が実現することが大切です。先に挙げた通り、看護師の転職にはポジティブな面とネガティブな面の二面性があります。ポジティブな転職理由は、「医療水準の高い病院で働きたい」、「スキルアップできる専門性の高い病院で働きたい」、「もう一度看護師としてやりがいのある職場で働きたい「等です。ネガティブな転職理由では、「職場の人間関係が悪い」、「給与が少ない」、「超過勤務が多い」、「教育体制が整っていない」等があります。昔は職業安定所(ハローワーク)、新聞広告や雑誌、チラシをみて転職をする看護師が多く、転職自体が一般的ではなかったです。しかし、21世紀になり、看護師の過酷な労働環境がクローズアップされ、インターネットの普及と看護師人材紹介会社の台頭により、看護師求人サイトを利用しての転職が伸びてきました。
2.看護師の転職と履歴書
一般転職だけでなく、看護師の転職でも履歴書は重要な役割を果たしています。もちろんキャリア(経歴)は大切ですが、それ以上に自己PRや志望動機をよくみられています。基本は手書きで一般常識を持っているのか見られることが多いのですが、最近ではデジタルデータで提出しても良い病院、クリニックも増えてきました。もちろん、ネット上に出ている文面のコピーでは駄目ですが、履歴書の書き方については看護師求人サイトのキャリアコンサルタント、キャリアアドバイザーにアドバイスを受けたり、添削してもらうことが望ましいです。看護師の場合、職務経歴書については一般職と比較するとそれほど詳しく書かなくても良い傾向があります。
3.看護師の転職における面接
看護師の面接におけては、一般常識、マナーが身についていれば特に大きな問題はないでしょう。就活の時のようにしっかりとした言葉使いや服装がわかっていると思いますので、就活時のことを思い出して面接に挑めば大概のことは乗り切れます。言葉、態度、身なりはしっかりとチェックしてから面接に望むと良いです。面接官は、キャリア、条件の確認以外にその人がきちんとした受け答えができるかどうか、職場でうまくやっていけそうか、患者さんとコミュニケーションをきっちり取れるかどうかといったコミュニケーション能力を見ています。
とにかく大切なことは、
- 正しい礼、正しい挨拶を心掛けること
- 相手の目もしくは眉間を見て話す
- 聞かれたことは端的に答える
- 明るくハキハキと話す
です。
面接官は、看護師として、入職後に業務についた時にしっかりと上司の指示を守れるか、チームワークで業務を進めていけるかといったことをイメージしているからです。面接官によいイメージを持たれるために、聞かれそうなことはあらかじめ答えを準備して置いたり、自分のやりたいことをしっかり見ている必要があります。
看護師の転職のまとめ
看護師にとって転職は家庭の事情、キャリアアップ、人間関係、労働環境などポジティブ、ネガティブな理由で行われます。昔は職業安定所や紙媒体から情報を得て転職をしていたものが、現在ではインターネットを利用し求人情報を集め、看護師求人サイトなどを活用しての転職が増えています。転職で提出する履歴書は自己PRや志望動機はしっかり書く事が大事です。面接においては常識とマナー、コミュニケーションを意識し、言葉、態度、身なりには意識を向けるようにしましょう。